Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

コール

6歳の娘とその両親、3人を別々に誘拐して別の場所で監視する。だが犯人は「決して誰も殺さない」と決めている──人質と信頼関係を結ぶことで安全に金を手にする、曰く“完全犯罪の”誘拐なのだ。 「犯人は異常人格だった」と逃げるサスペンスが多い中、この犯人グループの振る舞いはいかにも現実的で、実際の事件ではきっとこういう場面が多いのだろうなと思わせる。誘拐のアイデアが映画自体の骨子でもあるシンプルな構成で、だからこそ手練れの役者たちの演技が際立つ。『アイ・アム・サム』の名子役ダコタ・ファニング、『ミニミニ大作戦』のシャーリーズ・セロン、犯人役のケヴィン・ベーコンコートニー・ラヴ、みなそれぞれに曲者である。

【CDジャーナル 2004年07月号掲載】