Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

グローイング・アップ

男には、自分の思春期のうずきのようなものと一緒になって記憶されている映画があるはずだ。60年代後半〜70年代前半生まれの人にはこの「グローイング・アップ」、それより若い人には「ポーキーズ」あたりがそうか。内容はシンプル過ぎるほどにシンプルで、脱童貞を目指す少年たちの、バカで明るくて切ない青春──身に覚えがありまくりだ。「のっぽのサリー」「涙のくちづけ」「ミスター・ロンリー」など、劇中流れっぱなしの50〜60年代ヒット曲も楽しい。監督らが有名曲を好きなように使って編集し、映画完成の後で使用権を買ったというからムチャクチャだ。作り手自身が楽しんだからこそ、世界中の青少年が共感するヒット作になった、ということだろう。

【CDジャーナル 2004年09月号掲載】