Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

N.Y.式ハッピー・セラピー

病んだアメリカを笑うコメディである。善良だが臆病、優柔不断なサラリーマンの主人公は、飛行機でたまたま隣り合わせた怪しげなオッサンのせいで「乗務員に暴行した」と訴えられる。誤解が誤解を呼んで、裁判所ではまさかの有罪判決。罰金の他に「怒りを抑制するセラピー」に通うべく言い渡されるが、そのセラピーを主催する精神科医が、すべての元凶の怪しいオッサンで──。訴訟とセラピーに明け暮れる自国を笑う、アメリカ人のためのコメディ。ジャック・ニコルソンの怪演は見物。だがそんなアメリカの病みっぷりを実感できない日本人の筆者は、「怒りを抑制するセラピー」にあの「悪童マッケンロー」が本人役で参加していたことが一番笑えた。

【CDジャーナル 2004年11月号掲載】