Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

SONNY / ソニー

 ゆるく退廃的な空気の漂うニューオリンズに、兵役を終えた一人の若者が帰ってくる。彼は12歳のときから母親に技術を叩き込まれた、名うての男娼。娼婦として老いていくしかない母親を横に見ながら、若者はそんな生活と決別しようともがく。しかし世の中は彼が信じているよりよほど汚く──。『スパイダーマン2』では頭の鈍いボンボン役だったジェームズ・フランコだが、本作では水を得た魚のような美丈夫ぶり。ある部分では極端に洗練され、ある部分では世間知らずな男娼稼業の哀しさを、静かに演じてみせる。これが初監督作品となるニコラス・ケイジも、突飛な役で顔を出す。本当は自分の主演で作りたかったらしいが、それはちょっとご勘弁……。

【CDジャーナル 2005年02月号掲載】