Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

スイミング・プール

そろそろ老年にさしかかる堅物の女流作家が、南仏の別荘で出会った自由奔放な小娘。開放的なリゾート地でも禁欲的な生活を続けようとする作家は、小娘が次々と男を連れ込んでくるのに苛立ちつつも、その若さの中にいつしか作品のインスピレーションを得るようになる。そんなある日、別荘のプールで一人の男が殺されて──。幻惑的な映像の美しさ(と、二人の女優の脱ぎっぷり)に目を奪われていると、最後の数分で攪乱される。ミステリーとしての明快な謎解きはなく、解釈はそれぞれだ。女の外面の美しさを見せるふりをしながら内面の汚い部分をずけずけと描くのは、前作「8人の女たち」と同様。ゲイだといわれるオゾン監督、女には一貫して容赦ない。

【CDジャーナル 2005年03月号掲載】