Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

ターミナル

東欧のとある小国からニューヨークにやってきたビクターは、祖国で起こったクーデターにより“無国籍状態”となり、空港から外に出られなくなる。彼を追い出そうとする官僚的な空港責任者の策略にも乗らず、あくまで正当な手段で入国できるまで、空港で暮らすことにするビクター。そのまっすぐな人柄に、最初はいぶかしがっていた周囲の人々もいつしか心を開き──スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演という手堅いコンビの作品で、ヒットするのも当然、心温まるのも当然。なので敢えてケチをつけると、言葉がおぼつかない人はそれだけで純粋・純情に見えるもの。この偉大な二人が使う技法としては古典的すぎはしまいか。良作であることは間違いないが。

【CDジャーナル 2005年06月号掲載】