Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

ハリー・ポッターと炎のゴブレット

あまりに危険なため、17歳以上でなければ参加できない“三大魔法学校対抗試合”。だがホグワーツ校の代表として選ばれたのは、まだ14歳のハリー・ポッターだった──説明不要の大ヒット・シリーズで、こちらの想像力を試すかのような架空の絶景や魔法の描写、それに緻密な謎解きは、もはや揺るぎない出来。ただ4作目となる本作、これまでとは毛色が変わり、全体として物語が暗い。躍動的な画面に交えて描かれるのは、思春期を迎えた主人公たちの間に生まれた妬みや嫉み、そして恋の逡巡。第7作で完結するシリーズの中にあって“大きく羽ばたく前の、一番情けなく、迷い多き部分”という位置づけなのだろう。ただ、上下巻あわせて1130ページの原作を157分の映像にまとめたのは、やはり詰め込みすぎか。原作を読んでない人には、話が早急すぎて追い切れない。一方で原作のファンには、大事なシーンをあれこれカットしているという不満が残る。痛し痒し。

【CDジャーナル 2006年06月号掲載】