Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

ナルニア国物語

 第二次大戦の戦火に追われ、四人の兄弟姉妹が疎開したのは大きな古い館。その二階の空き部屋にある衣装だんすの扉を開くと、奥には半人半獣の生き物たちが暮らす異世界が広がっていた! 冷酷な“白い魔女”によって100年もの長い冬が続いているこのナルニア国、実は四兄妹が来るのを待ちわびていた──。原作は半世紀前にイギリスで出版されたC・S・ルイスのファンタジー小説で、7章に渡ってナルニア国の成立から終焉までを描く。本作はそのうち1章の映画化で、続編の制作も決定。大作だけあって、広大な異世界の描写は見事の一言だ。が、現実の戦争から逃げてきた子どもたちが、異世界でも戦争に巻き込まれる運命だというのは悲しすぎないか。

【CDジャーナル 2006年09月号掲載】