Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

ハッピー・エンディング

 アメリカの都市部では、ゲイやレズビアンカップルが養子縁組や体外受精で子育てをしていることは少なくない。“カップル”の意味の多様化を当たり前とした上で、本作では10人の男女のおよそ9組の恋愛関係(片思いを含む)を描く。同性愛、異性愛、略奪愛、偽装の愛、体だけの愛と、書き並べるとなんだかエキセントリックだが、描かれている風景はあくまで穏やかな日常だ。入り組んだ人間関係と、人物背景などを一気に字幕で語る手法に最初は戸惑うかも知れないが、見終わる頃にはタイトルどおり、ちゃんとハッピーになれる。「どんなカップルもいつかは別れて当たり前」みたいな軽くてふつうのことを当然として描くスタンスが、妙に心地いい。

【CDジャーナル 2006年09月号掲載】