Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

ニュー・ワールド

賛否両論が極端な一作だ。あまりに美しい色彩と映像、巨匠テレンス・マリックが極めて抑えた筆致で物語を描いたことへの賞賛。一方で、冗長、退屈、偽善的という評価もあるだろう。アメリカ建国の伝説を元にした物語で、舞台は1607年の東海岸。新世界を求めてイギリスを出た船がたどり着いた地には、野性的な先住民たちが暮らしていた。交渉役として先鋒に立たされた一人の男が、身を守る術として、部族の王の末娘ポカホンタスの恋心を利用しようとする。が、純粋な彼女の気持ちは本物だった──。文明と文明との出会い、侵略や戦争という大事を、一組の男女のロマンス物語に矮小化していいものか、というのが筆者の実感。だがこれとて私見でしかない。

【CDジャーナル 2006年11月号掲載】