Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

レイジング・ブレット

日本では劇場未公開の小ぶりな作品だが、掘り出し物だ。『24』キーファー・サザーランドが憎らしげな連続強人魔として登場、ファンは驚くかも。物語は6歳になる妹のために17歳の姉が誕生パーティの準備をしているという、小さな幸せの場面から始まる。が、母親がその長女と電話で話している最中、何者かが長女を襲い、犯し、そして惨殺──。しかも捕まった犯人は警察の不手際で釈放となり、反省の様子もなく街で暮らすように。思い詰めた母親が取ったトリッキーな復讐の方法とは──? トリックやサスペンス的なおもしろさもあるが、“小さな幸せ”がいかに簡単に崩れてしまうか、人間がどんなにもろく壊れてゆくか、その描写が身につまされる。

【CDジャーナル 2007年05月号掲載】