Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

アンノウン

人里離れた広い破棄工場の中で、5人の男が目を覚ます。男たちはみな、記憶を失っていた。一人は銃で撃たれ、一人は縛られている。別室からは死体まで見つかる。何が起こったのかも、自分が何者なのかも思い出せずに錯乱する中、自分たちがある誘拐殺人事件の当事者であることだけは分かった。5人のうち2人は被害者で、残りは犯人の仲間だ──しかし、誰が味方で誰が敵なのか? そもそも自分は犯人なのか、被害者なのか? お互いを疑い合いながらも、身の危険を感じた彼らは奇妙な連帯感を持ってそこからの脱出を試みる──。設定の着眼点が秀逸で、キレのいい短編小説のような小品に仕上がった。設定とキレ以外にあと一つなにかあれば……惜しい。

【CDジャーナル 2007年08月号掲載】