Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

ラッキーナンバー7

不運な若者、スレヴン。仕事と恋人とアパートを一度に失い、旧友を頼ってNYに出てきた。が、不運はそこで急拡大、路上強盗にあった上、人違いで二つの敵対するギャングから目を付けられ、膨大な借金と殺人を押しつけられる。新人脚本家が10年かけて書いた物語に名優たちが呼応して製作、練りに練った謎を細かい破片にして再構成した。特に前半、観客は謎の破片に戸惑いつつ、コメディ的なとぼけた味付けと、スタイリッシュな映像美に流されてゆく。それでいい、若手俳優の半裸や名作映画のパロディを楽しんでいるうちに、後半で肝心の謎の全容が見えてくる。こんなできた娯楽サスペンス、なんでヒットしなかったのだろう。安易すぎる邦題が一因か。

【CDジャーナル 2007年08月号掲載】