Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

オール・ザ・キングスメン

誠実な小役人が民衆の支持を受けて州知事となるが、権力を持ったとたんに腐敗が始まり──1946年のピューリッツァー賞小説『すべて王の臣』の二度目の映画化で、1949年の同名映画はアカデミー三部門受賞。これだけの古典的名作をリメイクするだけあって実力派のキャストを揃え、中でもショーン・ペンは“人間の器の小ささ”を恥じることなく熱演。物語は政治の現実を端的に要約、声高に魅力ある話をする人の声しか理解することができない“賢くない人々”の描写は地味だが秀逸。唯一“賢い人”として描かれ、全貌を知り得た新聞記者は、良心はありつつも終始傍観者に徹する。そして結局“すべて王の臣”になるという民主政治の皮肉。ああ。

【CDジャーナル 2007年11月号掲載】