Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

長州ファイブ

黒船来航から10年後の1863年、まだ若い5人の長州藩士が特命を受け、命がけで英国に密航。そこで近代文明を目にした5人は“藩のため”から“日本のため”へと視野を広げ、それぞれが造船や鉄道、外交などを学ぶ。彼らこそが、のちの首相伊藤博文であり、近代日本の礎を築いた技術者、教育者たちであった──と、実在する“長州五傑”の偉業には背筋を正すとして、だ。本作、鑑賞用の物語としては成立していないような。盛り込みたい史実や演出を箇条書きにして並べ直しだだけ、特に後半は突然のナレーションと字幕で筋を説明するので手一杯。2時間の再現映画とするよりは、1時間のTVドキュメンタリーにしたほうが重みはよく伝わったかも。惜しい。

【CDジャーナル 2007年11月号掲載】