Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

渋谷区円山町

前半では“彼氏とキス以上に進めずにいる女子高生”と“少しダサい25歳の臨時教師”、後半では“自分がイジメられていることに気づかないフリをしている少女”と“それに苛立つ孤高の少女”。本来なら交わらなかった二組の人間が、渋谷区円山町のラブホ街という“非日常”に舞い込んだことで、互いの心の中に微妙な共鳴を起こして──。前半では少女特有の不安定さや揺らぎを、後半では現代的で偏った自己防衛を丁寧に描いているが、二つのストーリーがすっぱり分断されているのは原作が同名のオムニバス・マンガだから。せっかくの映画化、もう少し絡ませたほうが深みがあった。“女子から見てかわいい女子”満載なのも少女マンガ的だが、これは悪くない。

【CDジャーナル 2007年12月号掲載】