Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

それでも生きる子供たちへ

戦場の少年兵士は、本当は学校に行ってみたい。親にスリを仕込まれたジプシーの少年は、理髪師になりたかった。ヤク中の親を持つ娘は、自分のHIV感染を知らされていない。スラム街の兄妹はゴミを漁りながら明るく暮らし、捨て子の少女は壊れたお人形を持っているだけで幸せ──大人の目には悲惨な逆境の中、たくましく生きる子どもたちを、7人の巨匠監督が競作として描き出した。子どもたちの輝くような生命力、屈託のない笑顔を観ているとこちらが癒される──なんてオタメゴカシで思考停止してはいけない。これは現実だ。自分が何をしてやれるかを考えると途方にくれるが、とりあえず本作の収益の一部は、世界中の子どもたちの食糧費として寄付される。

【CDジャーナル 2008年04月号掲載】