Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

バンテージ・ポイント

国際テロ対策の首脳会議の演説会場、大観衆が見守る中で、アメリカ大統領が狙撃される。さらにテロと思われる大爆発も発生、会場は一気に戦場のように。その23分間の事件が、現場にいたテレビ・クルーや地元の警官、大統領本人やその警護官など、8人の視点に沿って繰り返し描写される。もつれていた伏線の糸は、視点がかわるごとに少しずつほどけ、意外な事実も明らかに──。スピード感ある冒頭部分や、全編を通してのアクションは見物。だが、同じ事件を8回も見せられると、少々ダレてくるのも事実。『24』シリーズを想起させるプロットは秀逸なのだが、物語を観た悦びというよりは、プラモデルを見たときの「よくできてるなあ」という感想に近い。

【CDジャーナル 2008年10月号掲載】