Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国

 “売れたから続編も”的な思惑ではなく、制作者・出演者側が“続編を作りたい!”という欲求に突き動かされたのだと思う。いや、19年前の前作『最後の聖戦』で故リバー・フェニックスがその若き日を演じて以来、ぼくらも知りたかったのだ、学者のくせに女たらしで破天荒なインディアナジョーンズの“その後”を。シリーズ開始時には30代後半だった彼も、本作では白髪も目立つ50代後半に。だが縦横無尽なアクションと古代の謎解きに挑む姿勢は相変わらずで、冒険癖も女癖も変わっていない。

 時は冷戦まっただ中の1957年。ソ連軍に捕らわれたインディは、謎のミイラを探すことを強いられる。これが“共産主義者に協力した”と問題視され、教職を追放された彼は失意の中でアメリカを去ろうとするが、“行方不明になった母親を探してほしい”という青年が現れ、古代から伝わるクリスタル・スカル(水晶ドクロ)の謎を探ることになる。舞台は地上絵で有名なナスカや、マヤ・インカ文明が栄えた南米各地。ソ連軍はなぜかまだ執拗に彼を追い回し、辿り着いた遺跡はどこも危険な罠ばかり──。81年の第1作『レイダース 失われたアーク』に登場したインディの元恋人マリアンも27年ぶりに登場、往年のファンには嬉しいサプライズ。「そんだけ撃たれてなんでおまえは死なないんだ!」「つかそもそも、インカ文明とマヤ文明は違うぞ、地理も言語も時代考証も無茶苦茶やん!」などの不整合は勢いで吹っ飛ばし、ワクワクと胸を躍らせる123分間。さすが後に数々の“遺跡系アドベンチャー映画”が続く元となったこのシリーズ、本家の面目躍如といったところ。

 が、野暮を承知で一つだけ──冒頭、“核実験の爆発に巻き込まれたインディは、冷蔵庫の中に隠れて難を逃れました!”という場面は、やはり日本人としては素直に笑えない。核はそんなにヤワじゃないぞ。

【CDジャーナル 2008年11月号掲載】