Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

反韓流”を宣伝文句に掲げるだけあって、韓流スターも出てこないし、大味なお涙頂戴もない、奇妙な味のコメディである(当人らには悲劇なのだろうが、それぞれのダメさが我がことのように笑えてくるから、これはやっぱり喜劇だ)。田舎のハンコ屋のくたびれた中年男が、若い妻の浮気に気づき、相手の男に会いにソウルに出向く。相手はいかにも女好きで無邪気なタクシー運転手。不倫相手の夫とは知らないままに長距離客が乗ったと喜び、二人は長い道中をともにするが──。ほのぼのと可笑しい男二人の珍道中で、自分が浮気をしたときの軽い罪悪感と少し得意気な気持ち、逆に浮気をされたときの情けなさや自暴自棄、どちらも共感を持って思い出し、苦笑。

【CDジャーナル 2008年11月号掲載】