Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

アフタースクール

長編デビュー作『運命じゃない人』で視点や時間軸をズラしながら複雑なプロットを組み上げた内田けんじ監督、この二作目でも“観客を騙すこと”にあらゆるテクを使ってきた。“映画のお約束”や“観客の思い込み”を巧みに利用し、気持ちよくドンデン返しを重ねる。ある日姿を消した一人の会社員と、彼を捜す探偵、脳天気な中学教師。それぞれが秘密を持ったこの男たちに、2人の女、さらにヤクザや大企業が絡み、話は二転三転。何気ない場面のセリフも何重もの意味を持つので、俳優陣もよく演技したもんだ。入り組んだ筋のつなぎとして“思春期の切なさ”を盛り込んだのもうまい。が、これ、初見で全部の構造を理解するのはムリかも。DVDで二度観すべし。

【CDジャーナル 2009年01月号掲載】