Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

パコと魔法の絵本

チャーリーとチョコレート工場』を思わせる、和製の極彩色ファンタジー。だが単なる模倣ではなく、そこかしこに日本独自のギャグが散りばめられていて楽しい(ガンダムとか彦麻呂とか)。とある病院に集まる、不思議な人間たち。一日しか記憶が保てない少女、パコ。大金持ちだが偏屈でワガママなジジイ、大貫。その財産を狙う甥夫婦。自殺未遂を繰り返している元子役の青年。変装好きな医者。パンクな看護婦。ヤクザ。オカマ。パコと大貫の不器用なふれあいを軸に、病院全体を巻き込む大騒動が起こり──。出演陣は超豪華、今の日本映画の主役級が勢揃い。あとひとつ意表を突く展開、仕掛けがあれば、もっと話題になってもおかしくなかった……惜しい。

【CDジャーナル 2009年05月号掲載】