Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

雨の訪問者

禁じられた遊び』『太陽がいっぱい』のルネ・クレマン監督が、『荒野の七人』『大脱走』で人気を得たチャールズ・ブロンソンを主役に据えた、70年公開のサスペンス。海辺の街で夫の帰りを待つ若妻が、突然の侵入者に襲われ、思わず射殺してしまう。なんとか死体は海に捨てたものの、アメリカから来たという別の男が彼女の秘密を暴こうと付きまとって──。ブロンソンといえば40年近く経った今も「うーんマンダム」というCMが頭に浮かぶが、どこの人種とも分からない顔立ち、骨太な体躯や無造作な口髭は、本作でも独特の男臭さを醸し出す。70年代風俗を代表する女優陣もそれぞれ味が濃くて見応えあり。筋立てはやや不明確で分かりにくい部分があるが、ムードを楽しむだけでも満足できる。

【CDジャーナル 2009年07月号掲載】