Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

007 / 慰めの報酬

007シリーズ初の続編で、前作『カジノ・ロワイヤル』の予習が必要。前作で最愛の女性を失ったボンドは、その原因となった別のスパイを追いかけていた。目的のためには殺人も厭わない彼は、私憤にかられて暴走していると上層部に解釈される。孤独と葛藤の中、彼はある慈善団体の“裏の顔”に気づいた。環境保護を訴える裏で、天然資源の独占を目論んでいたのだ。その陰謀を暴くため、上層部の制止を無視し、ボンドは欧州や中南米を駆け回るが──。一般人なら何回も死んでそうな派手なカーチェイスやアクションは相変わらず満載。が、以前の007シリーズに比べ、奇想天外なガジェットはなくなり、かわりにボンドやMの人間的な部分を描いているのが印象的。あと、濡れ場がほどんどないのは残念……。

【CDジャーナル 2009年08月号掲載】