Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

アンダーワールド ビギンズ

数世紀にわたり歴史の陰に潜んで行なわれてきた、ヴァンパイア族とライカン(狼男)族の闘い。シリーズ前2作では、主にヴァンパイア側の視点から中世〜現代の抗争を描くが、3作目の本作では時代を13世紀に遡り、奴隷として虐げられていた狼男族の視点から、両族の闘いの原点となる逸話を描く。前作では神話のように断片的だった“血に宿る過去の記憶”が、今ここでつまびらかになる。吸血鬼族と狼男族は、実は13世紀に生まれた双子のそれぞれを始祖とする縁戚で、数々の思惑により、種が交わることを恐れて敵対してきたのだった──。本作は単品で観るべきものでなく、このシリーズの世界観が好きな人のための始祖の外伝。描く時代によりゴシック、ロマネスクなどの様式を変えた舞台美術は見物だ。

【CDジャーナル 2009年10月号掲載】