Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

パッセンジャーズ

109人を乗せた飛行機が墜落、生存者はわずか5人。真夜中に電話で叩き起こされたカウンセラーのクレアは、その5人の精神的ケアを命じられる。だが5人の証言や記憶は微妙に食い違い、一方で上司や隣人は妙に親しげで、何かが少しずつ不自然。ときどき、周囲に怪しい人影も感じる。戸惑いつつセラピーを続けるクレイだが、今度は生存者たちが一人また一人と消えていく事態に遭遇し、疑心暗鬼に。これは事故の原因を隠蔽したがっている航空会社の陰謀か、それとも──? 正直、ラスト20分間でのドンデン返しはどこか既視感がある。“サスペンス”として観ていたら実は“ヒューマン・ドラマ”だった、というのが本作の一番のドンデン返しかもしれない。余韻に残るのは“人の思いやり”の美しさだ。

【CDジャーナル 2009年11月号掲載】