Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

女の子ものがたり

エロ本出身にして今は善人顔で毎日新聞に子育て漫画を連載する漫画家、西原理恵子。彼女には、二つの乖離した作風がある。一つが博打アリ脱税アリの無頼派としての作品群で、もう一つは、彼女が育った貧しい漁村をイメージさせる、弱い人間たちの叙情詩。本作は後者のうち一つの実写映画化。男は漁師、女は水商売という田舎町で生まれ育つ少女3人の成長を描く。美談ではない。少女特有の残酷さや、田舎者の厚顔無恥をそのまま画面に押し広げる。それでも爽快なのは、原作者も演者も、格好つけずに人間の弱さをさらけ出しているから。

【CDジャーナル 2010年04月号掲載】