Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

九月に降る風

真夜中に忍び込む学校のプール。授業を抜け出しての酒やタバコ。野球とバイクとセックスと、喧嘩と友情と恋愛と──。舞台は90年代後半の台湾だが、国や時代が変わっても、男子高校生の興味や悩みは変わらない。7人の悪ガキたちの青春を描く本作、女子向けの作品かと思いながら見始めたが、けっこう骨太で男子向けだった。登場する誰かに自分の昔を重ねて共感する男子は多いはず。原題の“九降風”は台湾の9月の季節風で、日本の桜のように、卒業と入学、別れや出会いを暗示している。定型化した様式美だが、それでも切なく、ほろ苦い。

【CDジャーナル 2010年05月号掲載】