Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

マイマイ新子と千年の魔法

芥川賞作家・高樹のぶ子の自伝的小説をアニメ化。興行的には失敗だったが、情景の美しさからネットの口コミで人気を博し、いくつかの単館では異例のロングラン上映に至った。舞台は昭和30年、麦畑が広がる山口県防府市。空想好きな主人公・新子と、都会からの転校生・貴伊子、その友人らが伸びやかに過ごす日常に、新子が想像した千年前の少女の姿を織り込んで描く。丹念に再現された昭和の田園風景、そこに影絵のように重ねられる平安時代の街並みは、確かに美しく印象的。文科省推薦の児童向け映画だが、大人が観ると無垢になれる。

【CDジャーナル 2010年09月号掲載】