Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

トイ・ストーリー3

オモチャたちは実は生きていた──! 95年、99年と大ヒットしたシリーズの、11年ぶりの新作。少年アンディは17歳に成長、オモチャ遊びはもう卒業。ずっと一緒だったカウボーイ人形のウッディ、宇宙ヒーローのバズらは、寂しくて仕方がない。しかもアンディの大学入学を機に、オモチャはみんな保育園に寄付されることに──。生身の人間でなく無機質なオモチャが物語の主体に選ばれたのは、もともとは技術的な問題だろう。昔のCG技術では、人間の肌や髪をうまく描けなかった。しかし本作では、進化したCGで人間の外面を、巧妙な脚本で内面を描くことに成功。大人になりかけの少年のオモチャへの想いや、巣立ち、母との別れ。一方でギャグの出来も旧来以上で、“情熱的なスペイン・モードのバズ”や“オシャレに余念がないバービー人形の彼氏、ケン”など、爆笑! 保育園の同じ風景を極楽にも監獄にも見せるライティングやカメラワークにも感心。アニメとしてでなく、映画として優れている。

【CDジャーナル 2010年12月号掲載】