Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

告白

「私の娘は、このクラスの生徒に殺されました」──ある中学校のホームルーム、女教師の淡々とした告白から、物語は始まる。犯人の男子生徒やその母親、堅物の女子など、さまざまな語り手による“告白”が積み重ねられてゆくが、それぞれの告白には嘘や誤解が含まれているので、真実は薄皮を剥がすように徐々にしか見えてこない。冒頭で詳細まで明かされたはずの事件は、告白が重なるにつれ意味合いを変え、何が本当なのかを見失う──。新人のデビュー作ながらベストセラーとなった小説を原作とし、ぎりぎりまで色彩を抑えた映像や無機質な音楽によって、退廃的な世界観をうまく映像化した。基本的には女教師の復讐譚なのだが、中学生にありがちな“肥大した自意識”の描写が巧みで、彼らが群れる姿が薄ら寒く印象に残る。閉塞感ばかりが募って救いようがないのが難点だが、反面、そんな映画でも動員300万人のヒットとなりうることを証明したのは、ひとつの功績。

【CDジャーナル 2011年02月号掲載】