Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

キック・アス

アメコミの基本はみんな同じ、“超能力とアクションと勧善懲悪”。『ギャラクシー・クエスト』や『Mr.インクレディブル』はそれを逆手にとったパロディで、前者ではSF映画の俳優陣が本当の宇宙戦争に巻き込まれ、後者では引退後のスーパー・ヒーローの悲哀が描かれた。本作もこの系譜の、一捻りしたアメコミ映画。女子には見向きもされない平凡な高校生が、ネットで買ったヒーローの衣装を着て悦に入っている。いつしかその高揚感は正義感に変わり、外に出て本物の悪漢を退治しようとするが、もちろん彼はただのヘナチョコ。だがそこに現れた少女が、幼い頃から復讐のために殺人技を叩き込まれた、本物のスーパー・ガールだった! 目立つ二人はマフィアに目をつけられ、追われる身となって──。冴えない主人公はカツアゲはされるし、オナニー好きだし、およそ“ヒーロー”からはほど遠い。一方で、アクション・シーンの殺戮はかなり過激。その落差も含めて痛快だ。

【CDジャーナル 2011年04月号掲載】