Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

人生万歳!

教養はあるが偏屈な老人のもとに、無知で無恥な若い娘が舞い込む──『マイ・フェア・レディ』やその元ネタの『ピグマリオン』など、繰り返し使われてきた設定である。だがそこは手練のウッディ・アレン、単なる“年寄りに都合のいい恋物語”にはしない。信仰や家庭、道徳、若さや豊かさといった米国人(の特に保守層)が大切にするものをことごとくコケにし、その胡散臭さを皮肉る。古典的なセリフ劇の体裁を採りながら、話の流れはかなり定型外。それでも丸く収まるハッピーエンドは、さすがお見事だ。

【CDジャーナル 2011年05月号掲載】