Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

パロディ要素満載の10巻を越えるライト・ノベルの映画化だが、散らかることなくうまくまとまっている(原作ファンの感想はまた別だろう)。かつて誘拐監禁事件に巻き込まれた少女と少年。後に解放されたものの、二人の心は“壊れて”しまっていた。そして今、高校生となった彼らの回りで、また幼児誘拐や連続殺人事件が起こる──やりきれない世界を包むのは、ポップで乾いた空気感。部分部分でリアリティが欠如しているが、それは主人公たちの心にぽっかり開いた穴を示しているのだろう。小粒だが秀作。

【CDジャーナル 2011年08月号掲載】