Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

ブルーバレンタイン

無邪気で奔放な男と、真面目で堅実な女が出会い、互いに惹かれ、結婚して娘にも恵まれる。しかし人の気持ちが永遠に同じであるはずがない。本作ではその二人の邂逅から破局までのエピソードを分解して破片にし、過去と現在を交錯させて再構築。かつては魅力だった相手の性格や言動、同じ音楽、同じキスが、一転して重く不快なものに感じられ──“恋が始まるということ”と“愛が冷めるということ”、その両端を冷淡に比較して突き付ける。誰もが心当たりのあるテーマで、観ていて鈍い痛みを感じるはずだ。

【CDジャーナル 2011年10月号掲載】