Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

BIUTIFUL ビューティフル

約2時間半、始終夕暮れ時のような陰鬱な場面が続くが、映画としての評価は高い(アカデミー他数々の外国語賞、主演賞候補に)。が、観て爽快になる要素はまるでない。舞台はスペインの裏町。情緒不安定な妻と別れ、2人の子を養うために、非合法の仕事に手を染める中年男。しかも男は、末期癌で余命2ヶ月の宣告を受け──。海の事故で30年間も半身不随で寝たきりの男を描いた『海を飛ぶ夢』と同じJ・バルデムが主演。ともに真摯で胸に染みる物語だが、底辺の生活の閉塞感と、重く淀んだ空気で気分が塞ぐ。

【CDジャーナル 2012年02月号掲載】