Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

フェア・ゲーム

ブッシュ政権下の米国での実話。対イラク開戦に気がはやる政府は、「核兵器は存在しない」というCIAの情報を国策に合わせ捻じ曲げる。真実を主張するCIAの女情報員とその夫は、やぶ蚊のように煩わしい存在。そこで政府は、あろうことか女情報員の身元をマスコミにリークし、彼女を“裏切り者のスパイ”に仕立て上げる──。米国自体は傲慢で無分別な国だと思うが、こうして自国の恥部をサスペンスとして晒し、しかもきっちりエンタテインメントに昇華させる余裕には、米国国民の度量を感じる。秀作。

【CDジャーナル 2012年03月号掲載】