Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

悪の教典

生まれつき他者の心に共感する機能に欠け、殺人に快感を覚える“サイコ・キラー”。それが一見さわやかな、若く健全な教師としてある高校に赴任してきて——。貴志祐介の同名ベストセラーの映画化。三池崇史監督の多重に倒錯した美的嗜好が全開になった怪作。伊藤英明の肉体美や林遣都の青い性を丹念に映像化するいっぽう、並みいる美少女たちは散弾銃の一発で血に染まって倒れ死んでいく。鑑賞後に残るのは広く殺伐とした虚無感。延々と続 く殺戮映像もさることながら、その内なる変態性が怖い。

【CDジャーナル 2013年06月号掲載】