Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

アバウト・レイ 16歳の決断

「ぼくは男だから、ホルモン療法や手術を受けたい」という16歳の“一人娘”に対し悩み戸惑う母、そして「なぜふつうのレズビアンじゃいけないの!?」「手術までして男になりたいの!?」と嘆くレズビアンの祖母。米国でもまだまだ異端であるトランスジェンダーの、幼くも深い苦悩。しかも“彼”の出生には、また別の秘密があった──。何気ない静かな食事のシーンで、長く会っていなかった父親が娘を“He”と呼んだとき、無表情を装っていた少年の心中を思って涙が出た。良作。

【CDジャーナル 2018年08・09月合併号掲載】