Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

アトミック・ブロンド

ベルリンの壁崩壊の前夜、混乱する1989年の東独。その地に潜入している各国スパイの名を網羅したリストをめぐり、英仏米露の特殊機関が静かに激しくうごめきあう。ハイテク化される前の、体当たりの諜報活動は無骨ながらもスタイリッシュ。冷たく乾いた空気が満ちる中、女スパイ同士の熱い濡れ場をしれっと挿入してみたり(主演は『モンスター』でオスカー主演賞のシャーリーズ・セロン)──背徳感の操作が巧み。背景に流れ続ける80年代の流行歌も今や新鮮。

【CDジャーナル 2018年05月号掲載】