Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

ゲット・アウト

自分は黒人、彼女は白人。その家族と会うため、青年は郊外の高級住宅街を訪れる。“私の親は人種差別なんかしない、大丈夫”という彼女の言葉とは微妙にズれて、家族や街の人々は過度に親しげで、逆にそこで見かける黒人のメイドらはみな能面を被ったように不気味。彼は気づいていなかった、自分が白人らによる“競売”に出品されていることを──。人種差別と精神医学を下敷きにしたホラー、これは怖い。が、物語が進み事態が見えてくるにつれ、“いや、これはただのトンデモ映画だ”と理解、かえって安心する。あとはただ楽しむべし。

【CDジャーナル 2018年05月号掲載】