Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

メトロマニラ 世界で最も危険な街

田舎の貧農である男が、職を求めて妻子とともに大都会マニラに出向く。だがそこは想像以上に荒んだ街で、目に入るのは詐欺や売春など、スラムの厳しい現実ばかり。夫は危険な警備員となり、妻は場末のバーで職を得るが、いくら努力しようと、田舎育ちの二人はその生活に馴染みきれず──。サスペンス・ドラマでありながら、映像はまるでドキュメンタリーのようで、フィリピンの困窮した社会やそれでも生きていかねばならない人々の姿に、言いようのない切なさを覚える。娯楽作ではなく、社会派ドラマとして観る覚悟を。

【CDジャーナル 2014年03月号掲載】