Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

サード・パーソン

『クラッシュ』の脚本家ポール・ハギスによるお得意の群像劇。落ちぶれ、行き詰まった中年作家と、その若い愛人との関係を中心に、ニューヨーク、パリ、ローマの3組の男女を描く。人物が多い上に筋は別々に進んで交錯せず、じれったい。さらにあちこちに理解しにくい言動や唐突感、小さな違和感があるが、実は欠点に見えるそれらさえもが伏線だったと、最後の最後に明かされる。結末のタネ明かしも含め、賛否は別れるかもしれない。しかし、さまざまな立場・階層の人間たちを粗い目でつなぎ合わせた手腕はさすが。

【CDジャーナル 2015年01月号掲載】