Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

滝を見に行く

「紅葉の山道を散策し、見事な大滝へ。夜は温泉、お一人様3万円」というバス・ツアーに集まったのは7人の「ふつうのおばちゃん」。本当にふつうのおばちゃんなので、途中で大事件が起こったりはしない。ただ7人は道に迷い、山中で一泊を過ごす。この非常時、だんだんと体裁も建前も剥がれ落ち、性格や本音がツンケンと目立ってくる。それをただ「こんなおばちゃん、いるいる」とクスクス笑うのが、この映画。とはいえ「ふつうの人のふつうの生活」で笑わせるのは、実は難しいこと。監督・脚本の沖田修一の今後に期待。

【CDジャーナル 2015年06月号掲載】