Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

ソロモンの偽証

法廷物、陪審員物に名作は多いものの、未熟な中学生らが自分たちのために動いて開いた“学校内法廷”というのは、作者にとっても観客にとっても挑発的な試み。ある男子生徒の“飛び降り自殺”から始まり、イジメや家庭問題、そしてまたひとりの女子生徒の事故死を経て、事なかれ主義の教師たちは「これ以上生徒たちを傷つけたくないから」とすべてを曖昧なままに済まそうとする。が、それに対し、生徒たちは「わたしたちはもう十分傷だらけでボロボロです」と、真実を知るために、大人たちの反対を拒否し、“学校内法廷”を開く。2部作で計4時間半の長丁場だが、使い古された表現で言うところの“観終わったそばからもう一度最初から観たくなる映画”である。一本筋に見せかけつつ六つか七つの事件・事故を絡み合わせ、不自然な部分がないとはいわないものの、宮部みゆきの文庫本6巻の原作を4時間半にまとめたた成島出監督の手腕、侮れない。

【CDジャーナル 2015年09月号掲載】