Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

マジック・イン・ムーンライト

尊大で皮肉屋の有名奇術師が、友人に頼まれる。“ある富豪一家に霊媒師を名乗る小娘が取り入り、心酔した一家は全財産を注ぎ込みかねない。そうなる前に彼女のトリックを見破ってほしい”──出向くと、確かに娘はいきなり彼の素性や行動を言い当てた。男は最初こそ余裕は綽々、猜疑心も満々だったが、1920年代南仏の淡い陽光の中、物語は次第にコメディからロマンスへ──。小さな人間関係の枠を設け、その中に洒落や皮肉の破片を集めて“人生”を表現するのは、ウディ・アレンの十八番。そして出来上がる、小粋な一品。

【CDジャーナル 2015年11月号掲載】