Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

海街diary

鎌倉の大きな古家に住む三姉妹のもとに、かつて彼女らを捨てた父親の訃報が届く。その葬儀の後、長女が衝動的に、初対面で中学生の“四女”に「鎌倉で一緒に暮らさない?」と誘うことから物語は始まる──腹違いの妹、不倫で自分たちの父を奪った女の娘に。

しっかりものの長女役・綾瀬はるかもいいが、酒好きでやさぐれた次女・長澤まさみが、予想以上にいい味を出している。樹木希林大竹しのぶリリー・フランキーといった脇役陣も手堅い。

吉田秋生のコミックが原作で、監督・脚本が是枝裕和。悪くなりようがない。既刊6巻の原作では四姉妹それぞれの多彩なエピソードが描かれるが、監督はその中からうまくエッセンスを抽出し、2時間に組み立てた。

が、吉田の原作がすでに感情や台詞を凝縮してあるので、映画で初見の人には筋や人間関係を追うのがやや困難かも。

とはいえ近年のマンガ実写化映画の中では間違いなく最高作。次回は四女・すずが中心の物語を観たい。

【CDジャーナル 2016年01月号掲載】