Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

パパが遺した物語

25年前。一度は名声を獲得した作家が自分の起こした交通事故で妻を失い、長期のリハビリ中に愛する7歳の娘とも引き離される。負が負を呼び、周囲の厚意がまた負を呼ぶという負の連鎖。しかし父娘は諦めることなく、暗闇の中にか細い光の筋を探して──。『幸せのちから』('06 ウィル・スミス親子主演)でホームレスからパワフルに這い上がる父と息子の絆を描いたガブリエレ・ムッチーノ監督が、本作では繊細に、父と娘の物語を紡ぐ。折りにふれ歌われるカーペンターズの名曲「Close toYou」が切ない。

【CDジャーナル 2016年04月号掲載】