Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

SAINT LAURENT / サンローラン

21歳の若さでディオールの後を継ぎ、“モンドリアン・ルック”などで時代を革新し続けた“モードの帝王”イヴ・サンローラン、その絶頂期の約10年間に焦点を当て、喝采の裏にあった孤独を描く。深掘りしたい人は、公私をともにした男性パートナーのインタビュー映画('10)、同時期に製作されたYSL財団公認の伝記映画('14)と併せ観ると本作がなぜ“非公認”なのか察しが付くはず。天賦の才能が内包する深く濃い闇──酒やドラッグ、隠匿された性行動、常に囁かれていた死亡説──本気で感情移入するとこっちが壊れる。

【CDジャーナル 2016年05月号掲載】