Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

007 スペクター

『007』シリーズの24作目、6代目ジェームズ・ボンドダニエル・クレイグ作品としては4作目。「00部門は時代遅れで廃止すべき」とする堅物のMI5新責任者のせいで孤立無援に陥る中、メキシコ、ローマ、ロンドン、モロッコ、東京、南アと目まぐるしく動きながらテロ犯を追う。2時間半は長いかと思いきや、そこはさすが、安定のクオリティ。ボンド・ガールも安定のクオリティ(笑)。D.クレイグ登板と同時にいったんは封印した“秘密兵器”的な要素も完全復活、車(アストンマーティン)や拳銃(ワルサーPPK)などでマニア魂をくすぐりつつ、シリーズ全体へのセルフ・オマージュも満載。超ご都合主義的強引展開は相変わらずだが、会話劇として緻密で秀逸な場面がいくつもある。初期からのファンとしては、初代ショーン・コネリー時代に敵対していた国際的巨悪組織“スペクター”が復活、その内幕が垣間見えたのが見物(原作者と製作者の間で揉めていた権利問題が決着)。

【CDジャーナル 2016年05月号掲載】